6月4日の天龍革命記念日に寄せて

30年前のあの日、幼き日の僕の心を激しく揺さぶる戦いがあった。

 

小さい頃からプロレスは祖父母が好きでいつも一緒にテレビで観ていた。

 

プロレスというものは不思議なジャンルで、長い間観ていると自然と僕でも、今日は大体何分何秒ぐらいでどっちが勝つな、という予測を立てる事が出来る。

 

そのうち僕は「何だよ、プロレスなんて」と思い出して、観なくなっていた。

 

それから数年後、たまたまテレビをつけたらプロレスがあってた。

 

「プロレスなんかまだやってんのかよ」

 

斜に構えた僕は他の事をやりながら、テレビをつけっ放しにしていた。

 

ふとした拍子に顔を上げて画面を観た僕は、いつしかその戦いに釘付けになっていた。

 

天龍革命と呼ばれた、あのプロレス史上に燦然と輝く、一大ムーブメントが勃発していた。

 

僕がかって観ていたプロレスと、スピード、激しさ、熱さ、そのどれもが全く違った。

 

僕は一瞬で虜になってしまった。

 

全日本プロレスの前途に不安を抱いた、天龍源一郎と阿修羅原のたった2人だけの反逆は次第に若手を、マスコミを、そしてファンをも巻き込み、業界のルールさえも変えてしまった。

 

どんな地方でも一切手を抜かない、その熱きファイトに僕らは酔いしれた。

 

ちっぽけな会場、恵まれない立場でも必ず救われる時がある、そう教えてくれた。

 

くさらずに一生懸命やっていれば、いつかはスポットライトを浴びる時が来る、そうとも教えてくれた。

 

あの時の天龍同盟は対戦相手、マスコミ、ファン全てと戦いながら、また全てにメッセージを発信していたのだと思う。

 

僕もそれからずっと天龍源一郎を応援してきた。

 

2015年に引退してしまってからは、何か心に穴が開いたようだ。

 

ただ、こうやって6月4日が来るといつも、あの灼熱の日々を思い出し、また自分を鼓舞する事が出来る。

 

天龍源一郎に教えられた男の人生の生き方を、僕は何とか準えながら今日を懸命に生きていきたい。

 

天龍革命よ、永遠なれ。
 

 

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