メーカーの社員は自社商品に愛情を持つ

大阪店ははっきり言って掃き溜めでした。
部員は皆会社に対するロイヤリティが低い面子でした。
売上が悪いために本社と疎遠になっていく、益々コミュニケーションが
不足していく、さらに売上が落ち込んでいく。
負のスパイラルの典型的なパターンでした。
私が他の部員と違った点は、本社でデザイナーと一緒に
働いていたという経験を持っているところでした。
これは本当に大きな違いで、私は大阪店に赴任してつくづく
福岡本社で働いた経験があって良かったと思いました。
私が以前勤めていた会社は婦人服製造卸です。
この製造の部分を見ていたのは、大変大きな財産になりました。
毎日遅くまで女性のデザイナー達が働いて、試行錯誤して作り
出す商品、それは売れても、売れなくても大切な仲間が作った
商品なのです。
そこには自社の商品に対する愛情を勉強しました。
私は自社商品をぞんざいに扱うことは出来ません。
大阪はあくまでも販売店です。卸機能しかないのです。
そこでは愛情など持ちようがないのです。
彼らはどこかで知らない人が、知らないうちにつくった商品を
会社の命令で販売しているようなイメージなのです。
私は転勤して一日目に、先輩社員が床に落ちた商品を足で拾い
上げているのを見て、愕然としました。
二日目に私が床に商品を置いて作業していると、店長が邪魔だった
のか、足でその商品をどかしていました。
私が抗議をすると、不思議そうな顔をしていました。
足蹴にする商品をお客さんに販売するということが、私には
理解できませんでした。
私はアフレッシュの主事業である製造卸・小売の中でも
一番大切な部分は製造(メーカー機能)であると思っています。
そして社員には、自社の商品に愛情を持てと、口を酸っぱくして
言っています。
だって仲間たちが一生懸命頑張って、供給しているんですから。

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