「FMWをつくった男たち」2022年8月6日読了

1990年はプロレスというモノに大きなうねりが起きた時代である。

その前触れとして、旧態以来とした全日本と新日本という両巨頭が大きく揺らいだ。

プロレスを否定する形で産まれたUWFと、プロレスというモノを進化させる事になった天龍革命、その二つが前年までの数年間大きく隆盛したが、歴史の常として栄枯盛衰があり、どちらも歴史的役割を終えつつあった。

1990年というのは、そんな混沌の時代であり、だがエポックメイキングな年であった。


そういうカオスな時代に大仁田厚が率いたFMWは誕生した。

正直最初は「何だこりゃ」という印象だった。

今までのプロレスの価値観をひっくり返す、そんな団体だった。

「おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス」そう大仁田は形容したが、まさにその通りでハチャメチャだった。

こんなのもプロレスかよ!と思ったものだ。

だが、その熱心な(大仁田は途中までだが)姿勢が多くのファンを生み出し、一時期は大きな勢力となった。


プロレスが熱かった時代の、そこに関わった人達の物語。

僕に数年ぶりにプロレス本を購入させるくらい、興味深い本だった。

あの頃、毎週毎週週刊プロレス、週刊ゴング、週刊ファイトを買っていた時代を思い出させる良書だと思う。

是非ご一読ください。


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