あなたは、あなたであれ

表題はマザーテレサの言葉の引用ではありません笑
彼女のような優しい言葉ではなく、来年に向かっての厳しめなメッセージを記したい。

2023年、コロナは終了したが、さらに日本を含む世界は混沌としてきている。


世界に目を向けると、ウクライナの戦争は前年より引き続き、終わりのない様相を呈し、中東でも新たな火種が生まれた。
歴史と宗教と民族が根っこにある争いには正しい答えが一切なく、我々極東の人間はその解を持ち合わせていない。
軍事産業がアメリカという国を下支えしているのは事実で、活況を呈しているのは皮肉以外の何物でもない。
アメリカ一強の世界はさらに強まりつつあり、唯一のライバルは中国と言っても過言ではない。
ただ、アメリカ経済も強烈なインフレの中、今後の方策が明確だとは言えず、来年以降のかじ取りは未知数だ。
かたや、中国も超経済発展を遂げたこの数年の勢いに陰りは見える。


日本はというと、円安に端を発した物価高が景気への影響に暗雲を垂れこめさせ、政府や経済団体はしきりに回復しつつあるというが、現実にはそうは思えない。
過去の栄光かもしれないが、輸出に頼る構造は日本国内の消費をおろそかにし過ぎている。
各種数値だけが国の価値ではない。


政治資金規正法というザル法のおかげで、政治不信も沸点に達していると思う。
倫理観のない政治家だらけだが、それを許してきたのは日本国民全員の責任だ。
隣国の韓国との仲は急速に回復しつつあるが、かたや北朝鮮のロケット問題はさらに過激さを増している。
国防は国家の要諦だが、防衛費の急速な増大はその適正さも含め、注意が必要だ。

コロナ融資が終わり、返済が始まった途端に倒産ラッシュが始まっている。
そもそもがゾンビ状態を延命させる事に何の意味があったか分からないが、結局は国民の税金がその原資である事を忘れてはいけない。
また、そもそも返す気がなかったのではないか?という経営者達にはこの機会に一斉にご退場願いたい。

少子高齢化の問題はすでに1970年代から予想されていた事で、いまさら出生率を上げる施策を打ち出しても正直言って、焼け石に水の問題である。
人口ピラミッドは付け焼刃で解決は出来ない、国家100年の計が少なくとも必要だ。
であれば、将来の社会保障問題、労働力不足問題を解決するには、海外の人間の受け入れをどうしていくのか?という課題を最優先事項としなければならない。
そして、近未来において日本で職にありつけず、世界中で働く必要がある日本人達は、世界中の人間達と果たして同等に伍していけるのだろうか?
その教育・育成体制は非常に大切だと思う。

中央と地方の格差はさらに広がりを増し、もはや是正は難しいかもしれない。
日本人総中流時代、、では既にないという事実をここに改めて記したい。
富める者はさらに富み、窮する者はさらに窮す、そしてそれを癒す方策は現在示されていない。
ゆっくり温められていく容器の中で、いつのまにか茹で上げられしまったのが、現在の日本国民である。

まだまだ書きたい事はたくさんあるのだが、この辺りで止め、表題の意味に戻りたい。
僕はこういった混沌という状況の中でいつも思うのだ。
「考える事を止めてはいけない」

昔の言葉で「パンとサーカス」という言葉がある。
愚かな民衆には、食べ物と娯楽さえ与えておけば満足し、何ら社会への疑問を持たず、コントロールしやすいと考えた為政者たちの企みだ。
スポーツやエンターテイメントなどの楽しみはもちろん人生の趣向の一つとしては良いと思うが、一過性の物は最終的には何も解決してはくれない。
言葉は過ぎるが、辛い事を覆い隠してくれる役割は担えない。

「考える事を止めてはいけない」
これは正しい事なのだろうか?この情報の正誤は、倫理は?と常に思いたい。
常に考えて、そして「自分はこう思う」と誰の意見でもない、自分の意見を持つ事が大切だ。
毎日溢れるような情報の洪水の渦に、ただ身を任せ、濁流に翻弄されてはいないだろうか?
毎日ニュースサイト、TVなどのマスコミから垂れ流される記事を見るのはよい、でもそこから自分なりに様々な解を導き出す努力を怠ってはならない。
事実から導き出される他人の意見を、ただ無邪気に信用するのはあまりにも愚かだ。
それは「あなたはあなたではなく、あなたは他の誰かの操り人形」という事だ。
常に「こういう意見はある。でも自分はこう思う」と心の奥底に持つ事だ。
そこで初めて「あなたは、あなたであり続ける」のだ。

「僕は、僕以外の何物でもない」
僕は果たしてそう自信を持って言えるだろうか?
いつも自分自身にそう問いかけをしながら、2024年も僕は世の中の事象全てに対峙していきたいと思う。

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