💬 働く意味は変わっても、誇りは変わらない ── 世代を超えて思うこと
気づけば、もう32年、同じ業界で働いてきました。
この仕事が“天職”だと思っていたわけではありません。
もしかしたら他にもっと向いている仕事があったのかもしれない。
やりたいことが別にあったのかもしれない。
それでもこの道を歩き続けてきた今、
「やっぱり自分にはこの仕事が合っていたんだな」と思います。
派手ではないけれど、誇りを持って働けた。
それだけで十分です。
🔹 僕の誇り
僕の誇りはひとつです。
「女性向けの服を一生懸命売って稼いだお金で、
二人の子どもを成人させたこと」。
華やかな実績も称号もない。
でも、働いて、稼いで、家族を支え、
人生をちゃんと積み重ねてきた。
それが僕の“仕事の意味”でした。
🔹 若い世代を見て感じること
最近の若い人たちを見ていると、
僕らの時代とはずいぶん働き方が違うと感じます。
「残業はしたくない」
「仕事は生活の一部」
「好きなことを続けたい」
最初は正直、理解できませんでした。
僕らにとって“働くこと”は“生きること”だったから。
仕事とは、我慢と責任の延長線にあるものだと思っていました。
けれど今は、それが彼らの時代の自然な選択なのだと感じています。
彼らは「自分を守りながら、どう社会と関わるか」を真剣に考えている。
それは、彼らが大切にしている自分の生き方を選んでいる姿なんだと思う。
🔹 続けることでしか見えない景色もある
ただひとつだけ伝えたいのは、
“やりがい”というのは最初からあるものではないということ。
僕がこの仕事を誇りに思えるようになったのも、
続けてきたからこそ見えた景色があったからです。
若い人たちが、
いつか「この仕事を続けてきて良かった」と
心から思える日が来ることを願っています。
🔹 そして、これから
僕は常にいろんな疑問を持って生きてきました。
「なぜこうなるんだろう」「どうすれば良くなるんだろう」──
その問いが、僕を形づくってきたのだと思います。
そして今、35年目という節目を前に、
また新しい挑戦を考えています。
次の世代に少しでも何かを残せるように、
もう一度、働くことの意味を自分の手で確かめたい。
働く意味は時代によって変わる。
けれど、自分の力で生きてきた誇りは、どの世代にも共通する。
そしてその誇りは、次の世代へ静かに受け継がれていく。
